書評・感想ブログ。
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アバター / 山田悠介 (角川書店)
評価:
山田 悠介
角川書店(角川グループパブリッシング)

モバゲーのアバターにハマっていたのはちょうど去年のことである。
それまでは、アバターにハマってわざわざ現金で、触ることの出来ない衣装を買って何が楽しいんだか。と思っていた。
だがしかし、サイトに登録して、Tシャツ短パンの下着姿のような少女のアバターが健気に手を振っていると、なんだか可哀想になってしまったのだ。
わたしは、サイト内のバナー広告をクリックしまくった。
1クリック2G(奇しくもアブコと同じ金額設定である)で、400G近く貯めた。
何回クリックしたかは、空しくなるので数えないようにしている。
自慢じゃないが、モバゲー依存になってしまった頃、ケータイのエンターキーだけが破損した。


成人したわたしでさえ、アバターにこれだけはまったのである。
そもそも、女の子は幼少の頃、着せ替え人形で遊んでいたに違いない。
アバターとは、ネットの中で行う着せ替え人形だ。
女子中高生がハマるのは無理ない。


アブコのアバター中毒っぷりに関しては、わたしは寛大だったのだ。
ずぶずぶとケータイの画面に浸かってゆく感覚や夜中、布団の中で怪しげに光る液晶画面など、身に覚えがあり、思わず目を背けたくなる。


普段、いじめられているアブコ、クラスでも学校でも陽のあたらないアブコが、レアアバターを手にした瞬間、女子の注目の的になる。
小学校の教室で、かわいい消しゴムを持っていると、1日女王様になれるようなアレと一緒だ。
その快感が忘れられず、アバターにハマってゆくアブコ。
援助交際(詐欺)に手を染め、整形し、いじめに加担し、復讐し、最後には殺人まで行う。
これは、小説なので相当いっちゃってるが、実際、サイトを巡っていると、かなりの率でアバター依存している人がいるので、なんだか鼻で笑えるんだか、笑えないんだかわからない展開だ。
(アバター間で恋愛していたりするから、おばさんはもう意味がわからない。)


さて。
山田悠介は、苦手な作家である。
ここまで、とても好意的に作品を読んで感想を書いてきたが、感想を書くという点で本当に苦労した。
あらすじ以外、わたしの中には何も残らなかったからだ。
人の手で生み出されたお話は、頭ごなしにけなさないで読みたいと思っているし、
時間を割いて読んだお話は、きちんと整理して、感想を書いておきたいと思っている。
しかし、感想が浮かばない。
ま、読んでいる間は、展開が気になったし、楽しかったので、いいのかな。


(251p)



(映画化)
アバター [ 橋本愛 ]





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自らの目標のために、黙々と塾に通う読書家の香な子。
(彼女の大人に対するツッコミは的確で、なんだかかわいい。)
深夜ラジオが大好きで、病気の母を見舞う眉毛が特徴的なコーモリ。
この二人のお話です。 
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小学生の高学年にもなると、クラスに好きな男子が何人かいたのを覚えています。
(ジャニーズの追っかけみたいに、担当と副担みたいなニュアンスで二人以上はいた気がする……。)
なので、小学生が主役の甘酸っぱい芽生えストーリーは、「わかるわかる」とニヤニヤできるはずだったのですが、このお話は……なんだかもっと純情でした。
わたし的には、町野さんという「コーモリがすきな派手めな女の子」の気持ちに近かったのかも。(彼女までも純情じゃないけど!)
こういうお話を読みつけていくと、小学生の頃の気持ちや記憶がどんどん美化されていくんだろうなあ……。


香な子が「かわいいなあ」と思うのは、終盤まで「コーモリへの気持ち」に「恋」という感情の名前をあてがわなかったこと。
「好き」とか「両思いになりたい」と主人公の女の子が思って、「女」になってしまった途端に、安っぽいお話に転進してしまうんだなあ、と実感しました。
香な子は、最後まで「自分のため」にならずに、コーモリと向き合っていて、なんだか見ていて、かわいらしかったし、健気だったし、きゅんとしました。

コーモリは、かっこよすぎです。見た目は知らないけど、こんなかっこいいこと言う小学生はいない。
「おれがそばにいないと、きみよりさびしいおもいをするひとがいる」
びっくりして二度見してしまいました。


この二人、いつかまた会えるのかな。
小学生の頃の「いつか」とか「絶対」が儚いことを知っている大人は、読んでいて、余計に、ものがなしくなるのでした。

(252p)
勝手にふるえてろ / 綿矢りさ (文藝春秋)
26歳、元おたく女子の江藤良香。
中学時代の「イチ」という男の子との初恋をいつまでも胸にしまっている純情なOL。
最近、「ニ」という同僚の男性に交際をせまられていて、「イチ」と「ニ」の間で揺れている。

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「蹴りたい背中」のイメージのまま読むと、ぴったり!かもしれません。

いつまでも胸の中で初恋の人「イチ」との思い出を反芻し、その時代から抜け出せないまま26歳を迎えてしまった独身女。
突如目の前に現れた自分に好意を寄せる男を「ニ」と蔑称し、「イチ」と比較しては気に入らない点を列挙して否定しようとする。…が、心のどこかで「フるのはもったいないような」と思っている。
その葛藤を描いたお話なのですが。

綿矢さんって、こんな面白い妄想暴走型女子が描けたんだなあ!って感じでした。
同じ作風だと、何人かの女性作家さんが挙げられるんですが
本谷さん→もっと暴走していて、読んでいる側がおいていかれてしまう
豊島さん→もうちょっと卑屈っぽくて読んでいてかわいそうになる
三浦さん→妄想が暴走しても、なんだかまるくおさまるのがわかっている
津村さん→独身処女OLでも、もっと卓越していて動じなさそう……。
金原さん→妄想暴走していても、美人なキャラクターなので許されている気がする。
というわけで、
きれいな文章で読みやすいほどよい妄想暴走型でわたしは大好きです。

綿矢さんに関する記事で、以前、
「自分は「りさ」というかわいいペンネームを持っているのに、キャラクターにつける名前は、ハツだとか夕子だとか、地味。本当は、綿矢って性格の悪い女なのでは?」
という記事を読んでおり、爆笑してしまった記憶があります。
そして、今回の人物。
かわいい顔して、性格ブスな女子を描く綿矢さんがわたしは好きです。


作中、イチと二という言葉で男性がふたり比較され続けます。
わたし自身も、小中の頃に好きだった人を思い出して、「あの時こうしていたら」と妄想することがよくあるので、気持ちがわかるのですが、「1」と「2」って……。
イチと二という現実味のない名前が、最後にきちんと現実に戻った時、ミステリのどんでん返しを読んだ時のように驚いてしまいました。
文字の持つイメージもまたすごい。


「蹴りたい背中」でのにな川の描写がいつまでも忘れられないのですが、今回の「イチ」もまた、似たような男の子で面白いです。
「きつくてせまいところに閉じ込められるのが似合う男の子」ってどんなだ!!!
異性を見るときに、そんな風に人を見つめるのでしょうか。
綿矢さんの視線になってみたい。

するすると読めるのに、読み終わったあと、いつまでもいつまでも尾を引く。
綿矢さんのお話、言葉、世界観は恐ろしい。

(162p)
夏の庭-TheFriends- / 湯本香樹実 (新潮社)
「人が死んでいるところをみてみたい」
そんな好奇心で、ひとりの老人を観察することになったぼく。
1日をコタツで生活し、死を待つのみだった老人だったが、ぼくたちが観察をはじめてから一向に弱っていく気配がない。むしろ、元気になっているようだ。

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有難いことに、わたしも身内の死を体験したことがない。
だから、「死」というものは、ドラマとか小説でしか体験していない。
この物語の少年たちと一緒である。

少年たちは、町外れでひとりで暮らす「死にそうな老人」の観察をはじめる。
それなのに、だんだん、おじいさんの生活が気になり始める3人が好きだ。
刺身を差し入れたり、溜まったゴミ捨てをしたり。
しまいには、庭の掃除、家の掃除、洗濯まで任される仲になってゆく。

ぼくたちは、どっちかというと、地味な男子たちなのだが(ちびまるこちゃんでいう、藤木・永沢・山根なな感じだ。)、心優しくて素直でかわいい。
ぼくのおかあさんが、「今度はもっと仲のいい子を連れてきてね」と言ったことに少し腹がたった、というエピソードがよりリアルで、笑えてしまう。

ほかにもリアルなエピソードがばらばらと散らばっていて、話の本筋でないところできゅんとしてしまう。
なんて小学生の男の子って、かわいいんだろう!

今まで、男子小学生はシゲマツ、って思っていたんだけれど、
シゲマツの描く男子小学生とはまた違った繊細さが湯本さんの描く男子小学生にはあります。
今思い出せば、シゲマツの男子小学生は、女子の目ばっかり気にしてたな…。(そこがまたリアルで好きだったんですが。)

新潮文庫の100冊に何年間も紹介されていて、ずっと気になっていたので今回読めてよかったです。
この本は、「夏休みの読書感想文にぴったり」です。
ぴったりですが、感動を押し付けてくる感じがしなくてわたしは好きです。
おじいさんとの交流以外にもいいシーンやエピソードがたくさんあって、誰が読んでも少しずつ思い当たるふしがあって、きっと世界に入りやすいと思う。

わたしが小学生の時に、この本を読みたかったなあ……。


文庫版解説 玖保キリコ 

(221p)
インシテミル / 米澤 穂信 (文藝春秋)
時給1120百円 という誤植のような求人に集まった12人。
仕事は、24時間の観察対象になること。
地下にある「暗鬼館」という館に閉じ込められ、7日間を過ごさねばならない。
寝食をしていれば、あっさり大金を手にする事ができたはずなのに、なんとそこで殺人事件が勃発してしまい……!?


閉鎖された空間で1人が殺害されたことにより、疑心暗鬼が勃発して、神経をすり減らしていく11人……の描写がゾクゾクするほど怖かったです。
一人一人に薄気味悪い文章とともに、武器が配布されており、「いつ誰が襲ってくるか分からない」という状況……。
怖くて怖くて、一気読みしてしまいました。

殺人事件を観察するために集められた12人。
よって、誰かが犯人で誰かが探偵で、誰かがワトスンになります。
それがコロコロ変わり、人間らしく派閥に分かれたりして、窮地に追い込まれた人間ってこんな風になっちゃうのかあ……と、謎解き以外の部分が楽しめます。

ミステリを読み慣れていないので、「メモランダム」に書かれていた作品が全く分からず、ちょっと損した感じが否めませんが……。

犯人は?トリックは?と探りながら読まずに、「いつ殺されるんだろう」、「こんな夜を過ごしたくないなあ」とか暗鬼館の主人への嫌悪感などで読み進めていたので、終盤の終盤はちょっと失速してしまいましたが、充分すぎる恐怖を味わいました。

あーー怖かった。
(と言いつつ、またミステリを読もうとしているのはなぜだ)

映画化するようですが、須和名さんが綾瀬はるかさんですよね??
わーぴったりだー!とニヤニヤしながら読んでしまいました。
映画で観るなら、絶対に真っ暗な映画館で観た方が面白そうです。

(447p)

インシテミル クローズド・サークル 本格ミステリ大賞 このミステリーがすごい