書評・感想ブログ。
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ハピネス / 古屋 兎丸 (小学館)
古屋兎丸さんの作品のイメージが「エロ!グロ!」でしたので、
なんだか新鮮だった短編集です。
切なくなるような清純なエロです。
「純情」という言葉を突き詰めると、この境地に至るのでは…?と思った。
エロだが純情で、純情だがエロなんですが、
どっちも違うような気がするので、期待して購入するとスカすかもしれません。

短編に思えない重厚なストーリー(というかインパクト)です。
「ロリータ7号」のあとがきで、古屋さんが
「生きていくことの次に来るのは幼児退行」と書かれていて、激しく納得。
好きな人が自分の幼少の頃しか見ていないって、
なんてえげつない描写なんだろう…。胸が痛む。

なにより胸が痛んだのは「雲のへや」と「アングラ★ドール」です。
社会というか日常のやるせなさ、世間のやるせなさが、
どかんと漫画の中に詰まってしまった、夢も希望もないお話です。
漫画の中でくらい、幸せに、報われたりしてほしいのに……。
この世界を「かわいそう」と思う自分もなんだか非常に嫌な生物な気がし、
なんとも言えない客観視をさせてくれるお話でした。

古屋さんの漫画は、構図が素敵です。
「アングラ★ドール」のはるまきがファンに貰ったスノードームから
狭い部屋を見上げるコマがすごく綺麗で、
綺麗だからこそ、話の中の薄ら汚さが際立っていて、ゾクっとします。

古屋兎丸さんの世界はクセになります。

【収録作品】
嬲られ踏まれそして咲くのは激情の花
ロリータ7号
あくまのうた
もしも
ハピネス
雲のへや
インディゴエレジィ
アングラ★ドール

(全1巻)
JUGEMテーマ:漫画/アニメ
 
ゑびす銀座天国 / 東村 アキコ (集英社)
『きせかえユカちゃん』『健一レジェンド』『ママはテンパリスト』と、ギャグのイメージが強い東村アキコ女史ですが、シリアスマンガ家だったんです。

ドライアイス屋で働く、興梠は、何事にも不器用でぼーっとした青年だ。
そんな興梠青年が関わってしまった大波乱の女難コメディー。
(裏表紙に書いてあったんです。女難コメディー。)

興梠くんといい、『きせかえユカちゃん』のシゲちゃんといい、
東村さんは、背が高くて、ぼーっとしている母性本能をくすぐるタイプの男性が好きなんでしょうか。わたしも好き!だが。
少女漫画ではあまり見かけないタイプのヒーローなので、嬉しくなります。

東村さんのマンガで好きなところは、脇役です。
脇役の皆さんが、いい味を出しすぎていて、主人公のキャラを食っているところが好きです。
このマンガも、
ケーキ屋の2人、ドライアイス屋の社長とヨッちゃん……と憎めない脇役ばかりです。

で、このマンガが面白いか?と問われると、そうでもないかもしれません。
派手な恋愛劇ではなく、興梠くんの人柄を楽しむマンガです。

(全1巻)
JUGEMテーマ:漫画/アニメ