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十二人の死にたい子どもたち / 冲方丁 (文藝春秋)

 

廃病院に集まった自殺志願者の十二人の子どもたち。しかし、病院のベッドには十三人目の死体があった。

 

このあらすじを読んで、たぶん20年前だったら(バトルロワイヤルとか大好きだったので)飛びついて読んだのだろうなと思い、自分の感性の老いを感じたものの、やっぱり無視できずに読みました。読み終えて、ただただ「綺麗な本だなあ」ということです。

 

(以外、ネタバレあります)

 

(以下ネタバレあります)

 

 

十二人ものキャラクターを読み分けられるかと不安だったし、本には病院の見取り図もついていて、こんなの理解できない…と思っていたのですが、あまりわかっていなくても読み進められるお話でした。さすが冲方さん、ということなのでしょうか。「綺麗だな」と思うことのひとつに、この人物の把握をしなくても良いというところがあります。

ひとりずつ話していく、そして多数決を行うということの繰り返しでお話は進みます。なので、名前がわからなくても順番にスポットライトが当たる。自然に把握できる。読みやすい。すごい。

 

そして、ひとりずつ、自殺を志願した理由やアリバイなどを話していくにつれ、この場で新しい人間関係が生まれていきます。読んでいる身としては「あんたもうそんなに死ぬ気ないんじゃないの?ねえ?」と話しかけたくなるのです。なんて綺麗なんだろう。

どうしても、読みながら、これまで読んできた少年少女が死んでいく小説(バトルロワイヤルや悪の教典など)が浮かび上がってきます。それらに比べて、なんて平和なのだろう。

衝撃的なタイトルと設定で煽っているところはありますが、バトロワや悪の教典を思うとどうにも綺麗で純潔。

読み終わってから「誰も死ななかった」とほっとした気持ちとタイトルに煽られた複雑な気持ちで、単行本のおどろおどろしい赤文字の題字を見直したのでした。

 

十二人の死にたい子どもたち (文春文庫)

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