書評・感想ブログ。
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有頂天家族 / 森見登美彦 (幻冬舎)

楽しきことは良きことなり。


 長らく、森見登美彦さんの著作を読むことができなかった。「恋文の技術」を数年前に読んだきりだ。「この作家は面白い、面白いので読破しよう」と思っても、図書館で借りられない。誰も彼もが「夜は短し、歩けよ乙女」と言っている。書架に本が並ぶのを待つとしようではないか、と思って数年。
 「有頂天家族」はアニメ化していた。しかもわたしが好きな声優が演じている。
そして観始めて驚いたことに、このお話は狸と天狗と半人間のお話だったのですね。
結論からいうと、アニメをみておいてよかった。狸が達磨に化けたり、虎に化けたり、しまいには蛙の姿から戻れない狸など、想像力の貧困なわたしには理解に苦しむ。
 このアニメをみてから、「阿呆の血のしからしむるところ」「楽しきことは良きことなり」と全てを流すことが増えてしまったのだが、よい言葉である。オープニングの曲でも歌っていたが、つまらないなら楽しく変えてしまえばいいのだよな。うむ。
 

「食べちゃいたいくらい好きなのだもの」


 狸界の頂点に君臨した偉大なる狸を父に持つ4匹の子狸たちは長所が1つずつ、どうにも皆頼りない。中でも阿呆の三男・矢三郎の語りで物語は進む。長男も次男も四男もそれぞれにストーリーを持ち、母もなかなか個性的だ。母の決め台詞「くたばれ」がわたしは好きで、物語で子狸たちが「くたばれ」と言う度に、家族の結束力を感じて嬉しくなったものである。
 狸以外に、天狗や人間も出てくる。わたしのお気に入りは、狸鍋を好む美女の弁天様だ。弁天様の言葉がどれもこれも艶っぽくて素敵だった(アニメでも素敵だった)。「あなたが喧嘩を売ってくれたら、私喜んで買うのに」いつか言ってみたいものである。「食べちゃいたいくらい〜」というのも頻回登場する。矢三郎でなくともぐらりとしてしまう。
 わたしは「そこそこの日常」が好きである。小学生の頃から、遠足や運動会より、いつもどおりの机に座っている授業が好きだった。特筆すべきことがない1日が落ち着くのだ。悪いことがあるのはもちろん嫌だが、あまりにもいいことがあるととてつもなく不安になるのである。今でも、そこそこの毎日が平坦に続けばそれで充分であると思っている(そうもいかないのが現実なのであるが)。矢三郎が何も祈ることがない程度に幸せである、と結ぶのを読み、同じ考えの人が物語の中にでもいてくれてよかった、と思った。

 コミック化もしていたのですね。漫画だとどうやって表現するのか読んでみたい。

(2008年 本屋大賞 第3位)

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