書評・感想ブログ。
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官能小説の奥義 / 永田守弘 (集英社新書)
二次創作の小説サイトでエロ小説を漁るように読むことがなんらかの周期である。正直に言えば、書く時もある。
俗に言うやおい小説というもので、お馴染みのキャラクターが性行為に及んでいる部分のみを抜粋して書かれるものが多い。
数あるサイトの小説を読んでふと思った。「プロの書く官能小説とはどんなものなのだろうか」

しかし、ひとくちに官能小説と言っても、数が多すぎる上、どこの出版社のどの作家のものがよいのか、など知識が皆無に等しい。
そこで手にしたのが本書である。

序章「官能小説の文体の歴史」から面白かった。
抜粋されている部分を読むだけで、なんだか物足りないので、読んでみたい本のリストがさくさくと埋まっていく。
中でも「チャタレイ夫人の恋人」は面白そうなので、ぜひとも読んでみたいと思っている。
いくつか紹介されているものの抜粋を読んでいく中で、これまで私が触れてきたエロ小説は「女性が女性のために」書いているものが圧倒的に多かった。だがしかし、本書で紹介されている官能小説は男性作家が男性読者のために執筆しているものが多い。(ちらほらと女性作家が出現しているようだが、やはり多くが男性のために書かれているようだ。)
おたくや腐女子を自負する者々は創作の世界に触れる機会が多く、小説や漫画など表現に違いはあれど官能世界に触れることが多いが、そうでない女性たちは全くその世界に触れることなく生活しているのだろうか。気になるところである。そんな思いを強くしたのが、「癒し系」というジャンルの存在であった。(癒し系とは、年上女性にリードされる童貞少年との性行為のようなものをざっくりと指すらしい)
女性が女性のために描く場合、限定的に言えば、二次創作などでは、めったに出会えないジャンルである。
ほかにも、第三章「フェティシズムの分類」も男性と女性の違いを感じられる興味深い章だった。

第五章「官能小説の書き方十か条」の第九条が好きだ。
書いていくにしろ、読むにしろ、この九条を意識しているものがいい。
「性行為というものは、実は哀しいものである。」
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