書評・感想ブログ。
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完全なる首長竜の日 / 乾緑郎 (宝島社)
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少女漫画家の姉と自殺未遂をしてから植物状態になってしまった弟。
ふたりは、最新医療技術のSCコーマワークという手段で、会話をし、弟の自殺未遂のきっかけを探る姉。
しかし、まるで現実世界でしゃべっているような錯覚を覚えるセンシングは、しだいに姉の生活を脅かしはじめる。
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簡単によめるミステリを探して書架をうろついていた時に出会った本です。
(本当は、乾くるみさんの新刊を探していた。)

「完全なる首長竜の日」っていうタイトルは、ちょっとファンタジーなのに、帯に書かれている文句が現実的で、どういう世界観なのだ、と気になってしまい読み始めました。

どこからどこまでがセンシング中なのか、が次第に曖昧になっていくので、「これはもう勢いで読むしかない」と思い、2日くらいで読了。
だから、だいぶ難しい単語や説明は読み飛ばしたのですが、それでも、それなりに謎解きには参加できたし、ちょっとドキッとして肝も冷やしたし、オチには「ええええ」って驚けたし、満足です。

そして、ものすごく読みやすい。

下降気味の少女漫画家・アラフォーの姉の描写が、リアリティにあふれていました。
読んでいて、なんの違和感もなくて(漫画家の方が読めばリアルでもなんでもないと思いますが)よけいに、センシング中なのか現実なのかがごちゃごちゃしてきて、そのごちゃごちゃ感がとても面白いです。

オチは「やっぱりなー」っていうところにきちんと落として、読者も安心。
だけど、最後の1行で「えええええ????」ってなって終了。
この放り投げ方が大好きです。

このミス!の大賞ということで、納得。
いや、はじめてこのミス!受賞作読んだかも…?

(305p) 
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