書評・感想ブログ。
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ハーフ / 草野 たき (ポプラ社)
図書館のカウンターに座っていた頃、小学3、4年生の女の子に所蔵を聞かれた本です。
「お父さんが人間で、お母さんが犬の本」と言われ、頭に「???」とハテナマークが浮かんだのですが、なんとかこの本にたどり着き、こっそり「あとでわたしも読んでみよう」と思っていた本です。

お父さんは人間で、お母さんは犬のヨウコ。 
小さい頃から、犬のヨウコがお母さんだ、と言われて育ってきた。
ぼくはもう小学生なので、犬のヨウコがお母さんでないことは、わかっているのに。

この本の設定を地でいっているのが、ソフトバンクのCMの「おとうさん」です。
ああいう感じの、あり得ない設定だけど、それがフツウ、という風に読めばいいのかな、と思っていたのですが、そうでもありませんでした。
お父さんと犬のヨウコと僕の3人家族は、いつも笑顔で、両親の仲もよく、絵に描いたような理想の日常を送っているけれど、それは、第三者から見たら、「オカシイ」ということに、ぼくは気がつきます。
そして、ヨウコに一心に尽くしているお父さんを見て、「恥ずかしい」と思うようになります。

家族のことを「恥ずかしい」と思う時期というのがわたしにもあったので、あの頃を思い出してしまって、胸がぎゅっとしてしまいました。
誰にでもあるのかもしれないけれど、あの「恥ずかしさ」はなんなのか、未だに分からない。
思春期の入り口なのか、大人への一歩なのかも分からない。
でも、家族みんなで出かけるのがたまらなく恥ずかしかったのを覚えています。

お父さんは幼い息子のために、犬を妻だと思って生活をしているのかと思っていたのですが、読み進めていくと、どうやら違うらしいということが分かり、いっそう、胸が詰まる思いになります。
ぼくがお父さんに、ひどい言葉を浴びせたくなる気持ちもすごくよく分かるし、お父さんが妻の名前を犬につけて溺愛したい気持ちもすごくよく分かる。

お父さんとぼくの思いはさておき、ヨウコはこんなにも愛されてしあわせな犬でよかった。
と、やりきれなさいっぱいの中、思いました。

(210p)
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