書評・感想ブログ。
読書関連のコメント、トラックバック、相互リンクは大歓迎です。
<< May 2020 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

<< 生きてるだけで、愛。 / 本谷 有希子 (新潮社) | main | 向日葵の咲かない夏 / 道尾 秀介 (新潮社) >>
おんぶにだっこ / さくら ももこ (小学館)
わたしが覚えている最も古い幼少期の記憶は、
父と母といった「イチゴ狩り」です。
当時から練乳が嫌いだったわたしはそれを断った、ということを覚えており、
そのことを父母に自慢したところ、
「イチゴ狩りのあと、おもらしをして大変だったのに、そこは覚えていないのか」
と責められました。
都合のいいようにしか覚えていないようです。


さくらさんは、なんでこんなに幼少期の記憶を持っているのでしょうか。
「おっぱいをやめた日」や「ゆりかごから見た風景」など、
とても記憶を元にして書いたとは思えないほど、リアルです。
いいことだけじゃなくて、ちゃんと自分にとって都合の悪いことも覚えている。
恐らく、さくらさんが悩んだ分だけ記憶に深く刻まれているんだろうな。


さくらさんの作品を読んでいると、たまに胸の奥がつんとすることがあります。
わたしだけの秘密にしてある重大なモノに触れられた感じがするのです。
今回の作品の中では「上松君のランドセル」と「松永君をぶった」です。
初めて、嘘をついた、人に暴力をふるった、人に罵声を浴びせた…等々。
かっとした凶暴な気持ちと、その後のなんとも言えない罪悪感。
忘れていたそういう気持ちを、さくらさんの作品を読んでいると思い出させてくれます。

本を読んでいると、そういう「初心」に否が応にも思い出さずにはいられず、
だから本を読むのはやめられないなぁと思ってしまいます。

(219p)

JUGEMテーマ:読書
 
スポンサーサイト
COMMENT









Trackback URL
トラックバック機能は終了しました。
TRACKBACK