書評・感想ブログ。
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アイからはじまる / 雪丸もえ (集英社)
少女マンガの王道の設定、恋に奥手な女子。
読者は主人公とともに、恋愛のドキドキ感や臨場感を楽しめるという人物設定だが、
奥手すぎると鬱陶しいし、じれったい。ヘタしたら、読者の共感を呼ばなくなる諸刃の剣だ。
恋に奥手な女子たちは、そろいもそろってイケメンに恋をする。
それも、かなりハードルの高そうな、学校で有名な不良だったり、チャラ男だったりに…。
恋に奥手だからなせる技かもしれないが。


雪丸もえさんのお名前は、少女マンガのレビューサイトで多々拝見していた。
「今のりぼんを牽引している作家」と評されていたので、隙あらば読みたいと思っていた。
満を持して!の雪丸もえ作品である。
読みきり作品で残念だと思っていたが、短期の連載作品だったので楽しく読んだ。とても、楽しく。

冒頭で紹介したとおり、恋に奥手な少女が不良に恋をするお話だ。
なんの変哲のない話だが、なぜか読んでいてほっとする上、きゅんとなる。
そのポイントは、不良がばあちゃん想いな点に違いない。
「実は優しい不良くん」という使い古されたキャラクター設定が、
「ばあちゃん想い」「ばあちゃんと同じ名前の子に恋をする」という併せ技で、果てしなく可愛くなるのだ!!!
そして、しまいには、ひまわりのエピソードである。
やってくれるぜ!りぼん!とガッツポーズをしたのは言うまでもない。
やっぱり、りぼんには、読ませる恋愛少女マンガを連載していてもらいたい。


同時収録の「シュガーレス・キス」の主人公も痛いはずなのに健気で可愛かった。
「甘党の遊び人の先輩」というのも、なかなかいい設定!
主人公をやさしくあしらう姿にキュンとして、切なくなった。
読みきりなのに、ラスト数ページ、ドキドキしてしまったのは内緒だ。

「ツンデ恋情」は、タイトル通り、ツンデレ女子が主人公のお話だ。
さてさて、この子がかわいいのである。
少女マンガでは、大抵、ツンデレ男子が描かれるのだが、ここではあえてツンデレ女子が主人公で、わがまま姫につきあう下僕のような彼氏、というカップルが描かれる。
ツンデレ女子萌えをしたことがなかったが、このお話を読んで初めて、「ツンデレ女子ってかわいいな!」と思ってしまった。
新しい世界に踏み出してしまったようで、残念である。
奪われそうになった彼氏を、お姫様キャラのセリフで奪還したシーンでは拍手をしたくなったほど、しっかりとキャラクターが生きていて、ブレない!
ワガママな設定とかが折れてしまうかと思ったのに、全然ブレない!
なのに、「はんぶんこしてね」なんて言われたら、そりゃおまえ、可愛すぎだ!!!!

「ひよ恋」を読んでみたくて仕方ない。
この大きすぎる期待に応えてくれるかが不安だ。


【収録作品】
アイからはじまる
シュガーレス・キス
ツンデ恋情
アイからはじまる 番外編

(全1巻) 
西洋骨董洋菓子店 / よしなが ふみ (新書館) 
『アンティーク』というタイトルで放送されていたドラマの原作です。



ケーキ屋には相応しくない、ヒゲ面のオーナー・橘。
天才パティシエでありながら「魔性のゲイ」でもある小野。
ボクサーを引退し、ケーキ職人見習いになった神田エイジ。
男3人の洋菓子店・アンティークを舞台にしたお話。



いわゆるBLとか耽美系とか、やおいというジャンルの本なんですが、そんな言葉でくくってしまっていいのか?と思うお話です。
ソレ系の本は、終着点が通過点に必ずと言っていいほど、セックスがあるんですが、このマンガでは、それは一切ありません。
マンガを通して語られるのが、「男同士の恋愛」ではないから。

ケーキ屋の男たちを眺めて楽しむ漫画か、と問われればまた違う。
(それはそれで、楽しんだけれど!)

アンティークを通して、ケーキを通して描かれる様々な人間模様があって、楽しめる!のです。
だから、敬遠しないで読んでみて欲しい。

食通でも有名なよしながふみさん。
もちろん、この漫画に登場するケーキの描写も手抜きではありません。
どれもこれも、美味しそうなんです。
オーナーの説明も美味しそうだけど、エイジの食べっぷりも美味しそう!
食べる瞬間の、フォークがケーキにささる瞬間とか、クロワッサンがちぎられる瞬間の擬音語が美味しそうでたまりません。

よしながふみさんの漫画は、どんなに時が経っても忘れられない派手なエピソードがあるのではなく、読み終えたあとにじんわりと「また読もう」と思える漫画だと思います。
手放そうかなーと思っても、なかなか手放せません。

(全4巻) 
君しかいらない / 吉住 渉 (集英社)

少女マンガの主人公なのに、髪の毛が短い!ショートカット!

と、当時、衝撃を受けたのが「君しかいらない」です。

髪の毛に並々ならぬコンプレックスがあったわたしは、「少女マンガの主人公の髪の毛は、腰のあたりまでのロングで、前髪はありえっこないさらさらで、どうやったらああなるんだろう、」と憧れていたので、新鮮だったのでした。
今でも、毎日、素敵なボブがキープされているアニメや漫画の世界が羨ましくって仕方ないです。



成績は優秀だけれど、恋愛には奥手な十時集(とときあつむ)。
放課後、教室で出会った転校生の栗原朱音に一目惚れをしてしまう。
しかし、彼女には、16歳にて「バツイチ」という過去があった!

16歳にしてバツイチ。しかも相手は、病院のお医者さん。

相変わらず、すごい設定です。
お医者さんも、患者の16歳に手を出したらダメだろう……と成人した今でこそ、冷静につっこめますが、(少女マンガの設定に突っ込みをいれる時点でナンセンスだが。)
当時のわたしは、
賢い同級生と大人なお医者さんの板ばさみ
に夢中でした。

文庫版だと、作者の吉住渉さんが、キャラクターの解説をしていて面白いです。
欲を言えば、誰かの解説もつけて欲しかった。
集英社の文庫版のコミックって、あんまり解説がついていない気がします。
あれが結構、面白いんだけどなー……。

この漫画は、りぼんにしては珍しく、男の子が主人公。
わたしは、「恋愛をしている男の子」を見るのがすきなので、好きな手法です。

(全1巻) 

ママレード・ボーイ / 吉住 渉 (集英社)
ママレード・ボーイと聞くと、
アニメのOPがふっと流れるくらい、どっぷりつかっていた世代です。
7歳くらいの頃から読み始めて、たぶん最終回まで本誌で読んでいたのですが、
子どもの頃に読んだ記憶は曖昧だったので、大人買いしてしまいました



両親が離婚し、べつの両親とパートナーを変えて再婚することになってしまい、
光希と遊は、母2人父2人の計6人で同居生活を始めることに…
学校まで一緒になってしまい、やり辛い生活を強いられていた光希。
ある日、保健室で休んでいると、遊にキスされてしまい…



小学生の頃、すんなりと受け入れていた「両親を交換(?)した再婚」というのが、大人になった今、受け入れられませんでした(そりゃそうだ。)
光希と遊が仲良くなってゆくのも楽しいですが、中学生時代にこっぴどくフラれた銀太との関係も徐々に変わり始めて、少女マンガ王道のヒロインの奪い合いをしているあたりが醍醐味でしょうか。

幼心に鮮烈に覚えているのが、光希と遊のキスシーンです。
ものすごくドキドキしながらページを捲ったのを覚えています。
そして、大人になった今、そのシーンを読んだのですが、やっぱりドキドキしてしまう少女な自分がいて、ちょっと嬉しかったです。

それにしても、こんな恋愛アニメが朝の時間帯に放送されていたことが不思議です。

(全8巻) 
天使なんかじゃない / 矢沢 あい (集英社)
『天使なんかじゃない ふつうの女の子だよ』

で有名な矢沢あいさんの出世作です。

創立されたばかりの聖学園1期性の生徒会役員に選ばれた翠。
こっそり片想いしていた晃が生徒会長に選ばれ、
楽しく毎日を過ごしているが、
晃には”ヒロコ”という彼女がいるみたいで…!?

あらすじを書きながら「こんな恋愛漫画じゃないやい!」と思ってしまいました。
正しくは、「生徒会1期生の波乱万丈の3年間!!」というあらすじです。
あらすじというのは、本当に物語の一端でしかありません。

「天ない」を初めて読んだのは、小学生の頃だったのですが、
その頃は、翠と晃の恋愛のゆくえばっかり気になっていたのですが、
(しいていえば、「わたしは翠ちゃん」の気持ちで読んでいた。)
中学生になってから再読すれば、志乃ちゃんとタキガワマン、マミリンの恋愛が気になり、
(つまり、「わたしは志乃ちゃん」の気持ち。)
高校では、進学で悩むマミリンと翠の気持ち……
というように、加齢するにつれて、感情移入する矛先が変わっても、
何度でも楽しめるマンガだったのです。

そして、矢沢さんのマンガは、「悪役」が存在しません。
みんながみんな、一生懸命に生きていて、憎めないのです。
ハッピーエンドな少女マンガを読みたいときは、「天ない」です。

(全8巻)
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