書評・感想ブログ。
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シャングリラブ / 工藤郁弥 (集英社)
少女マンガの「いつもと同じ」展開に、毎度ながらほっとする。
少女マンガはこうでなくてはならない。
最初に登場した男の子とハッピーエンドでなくてはならない。
少女マンガに求めているもの。いつもと同じ、という安堵感ではないか、と最近思っている。

青年漫画(「ONE OUTS」)を10冊ほどまとめて読んだあとだったので、
少女マンガ展開に正直、すこし疲れる気がしていて、なかなか読み始めなかった。
「今は、誰がどうやって誰と付き合おうが、どうでもいいよ……」といった感じだったのだ。
多くの成人女性が少女マンガを読まない理由は上記のようなものだと思う。
恋愛など、そのへんにゴロゴロ転がっているし、恋愛する気分にさえならないこともある。
わたしが少女マンガをまた喜んで読むようになったのは、結婚をして出産も終え、
恋愛という世界が一種のファンタジーになってしまったからだ。

一辺倒の恋愛少女マンガ(読みきり)ではもう満足できない。
ということは、ずいぶん前からこのブログで語っている。
正直、「シャングリラブ」の巻頭に収録されている「シャングリラブ」は普通すぎて満足しなかった。
恋愛経験豊富な女子と恋愛に奥手だった男子の物語など、飽食気味だ。
とはいえ、キャラクター設定でどうにでも物語の味付けは変わるので、辟易しながらも読むのだが。
このお話のキャラクターは普通だったので特筆しない。

恋愛漫画とみせかけて、女子同士の友情を描いた「ベイビースター」や、
ネイルアーティストに憧れて修行中の男子高校生とお茶をたしなむ女子の「恋ゴコロ」
(展開としては普通だが、夢に向かっているイケメン高校生は素敵だ。)、
4P漫画(コマ割はなし)の「花のなまえ」と、すこし胸躍るお話が詰まっていた。

なかでも、1Pが1コマで進むたった4Pの「花のなまえ」がかわいくて気に入ってしまった。
カラーで読めたらきっと素敵だったに違いないし、ほかの名前ももっと見てみたい!
でも、あのオチで終着しなければならないのなら、4Pが妥当だよなあ。うむむ、といった感じである。

調べてみたら、工藤郁弥さんはネイリストの検定を持っている方のよう。
漫画家をしながら、別のお仕事にも触手を伸ばすなんてスゴイと思う。
作者のエネルギッシュな感じが、お話の中のキャラクターたちにも通じているのかもしれない。


【収録作品】
シャングリラブ
ベイビースター
恋ゴコロ
花のなまえ
パラオの天使たち
 
(全1巻)
ONEOUTS / 甲斐谷忍 (集英社)
「野球漫画はつまらない」
というコメントを、この漫画の感想を読み漁っている時に多々見かけた。
わたしは、野球が大好きである。
プロ野球も高校野球も野球漫画も、
ひいては球場の雰囲気もあの素朴なユニフォームも単純明快なルールも何もかもが好きなのである。
だがしかし、確かに「これは面白い野球漫画だ!」という野球漫画をぱっと挙げられない。
なぜか、と考えてみた。
答えは簡単だ。創作物のスポーツは面白くない。

野球マンガといえば、甲子園を目指す球児の物語を指すことが多い。
高校野球マンガは、勝ち進んでゆくのも、チームがひとつにまとまってゆくのが楽しい。
相手の高校にも様々なキャラクターが配置されていて飽きがこないようになっている。
しかし、主人公のいる高校は勝ち進まなければ、物語として成り立たない。
では、プロ野球マンガではどうか。
6球団という少ない球団数で争うペナントレース。
トーナメント制の高校野球に比べると危機感が足りない。
実際、「負けたら最後、俺たちの夏が終わる……」というのは、日本人が大好きな設定なのだ。
ドラマも作りやすいし、感情移入もしやすい。
というわけで、プロ野球を舞台にした漫画は、読ませるのが難しいと思われる。
しかし、この「ONEOUTS(ワンナウツ)」はどちらにも属せない野球マンガだと思う。
よって、普段、「野球漫画はつまらない」と思っている人たちは楽しんだはずだ。


主人公は、球種がストレートしかない賭博野球出身のピッチャー・渡久地東亜。
しかし、ひょんなことから最弱チームにピッチャーとしてプロ契約することになった。
年棒は、ワンアウトをとるごとに500万。1失点するごとに1000万。
その契約は「ワンナウツ契約」と称され、オーナーと投手の年棒をかけた博打が始まる。

わたしは、今まで読んだことのない野球マンガに身震いしたが、
野球好きの弟には「野球をつかって博打するようなマンガは読みたくない」と一蹴されてしまった。それもそのはず。
序盤は、オーナーとの「ワンナウツ契約」を駆使した博打が繰り広げられる。
相手打者を挑発したり、雨で無効試合を誘ったり、と無茶苦茶だ。
10巻あたりまで読んで思う。「この漫画は、東亜のボロ儲けの話なのか」と。
だがしかし、中盤から終盤にかけて、東亜の敵ががらりと変わる。

わたしは、プロ野球が大好きでテレビでもラジオでもプロ野球しか見ていなかった時期がある。
そして、プロ野球ファンならば、野球界に一言や二言、物申したいことがあるはずだ。
(だがしかし、野球の話は政治や宗教の話に並ぶほど難しいとされているので詳しくは書かないが。)
なぜ2リーグ制なのか。テレビでのパリーグの扱い方はなんなのか。
巨額の金が動きすぎではないか。1チームに主力選手が集まりすぎではないか、等々。
東亜の所属するリーグでも、同じことが展開される。
ペナントレースも終盤にさしかかり、ただでさえ、強かったマリナーズに主力選手が補強され、リカオンズの前に立ちふさがる。
どう戦うか、弱小球団リカオンズ!
「おおお、だんだんプロ野球漫画になってきた」
弱かったチームがまとまって、強くなってゆくのはやはり面白い。
しかもこの漫画のリカオンズは、「努力」や「友情」で強くなったわけではない。
「勝負の仕方」を体得し、強くなったのだ。

この漫画は、渡久地東亜の成長物語ではない。
だが、児島との関係をはじめ、目立たない選手の力をも見出して利用する渡久地東亜は、
見た目ほど冷酷な人間でもなかったんじゃないか、沖縄にいた頃よりも成長したんじゃないかと思ってしまう。
泥臭い努力や根性がもう似合わない大人だって、こうやって勝負の仕方を知れば、強くなれるのだ。諦めちゃいけない。
というのは、メッセージを深読みし過ぎか。

(全20巻)
※20巻は番外編なので、本編は全19巻

まんが好きさんに50冊の属性質問
[終了した] [独特の雰囲気] [裏切り・権謀術数] [終わり方が好き]
誰がスッピン見せるかよ / 幸田もも子 (集英社)
なんて気持ちのいいタイトル!!!
こういうタイトルの本を手にするとき、いつもよりも高揚している気がする。
山崎ナオコーラの「人のセックスを笑うな」も然り。

お話は、タイトルの通り、
見た目に自信のない主人公が、カワイイ双子の相方(♂)にあわせて、濃いメイクをしているというお話。
ページ全体が高野苺の漫画そっくりで驚いた。マーガレットはこういう感じなのか。
かわいくて好きだから楽しんだけど、高野苺が個性的なんだと思っていたからびっくり。

表題作よりも、
王子様を待っている不思議ちゃんと演劇部の王子役とのかけあいが面白い「スーパープリンスメン」や、
手芸部の部長(♂)と、部長目当てで手芸部員になった子の「アムアムラバー」が面白かった。
いろいろな少女漫画を読んできたけれど、男の子が手芸部の漫画は初めてだ。

単巻で読みきりが3〜5話くらい収録されている少女漫画が気楽で好きだけど、
読んでいると本当にたくさんのお話があるな、と思う。
全10巻くらいお話が続けば、キャラクターの個性も色々なエピソードも描かれて、読者の記憶にも残りやすいだろうけど、
読みきりで30p前後で読者の記憶に残るお話を描くのは至難の業だと思う。

そんな中、「アムアムラバー」の部長が編んだマフラーを解くシーンはたぶん忘れないだろうな、と思う。
わたしが編み物にハマっているからというのもあるけれど。

これからも、色々な設定の読みきり少女漫画をハンティングしていく次第。
30p前後の漫画が面白い漫画家は、たいていどんな長編も面白いという持論もある。

【収録】
誰がスッピン見せるかよ
スーパープリンスメン
魔女とラッキーボーイ
とってもかわいいあなたへ。
アム アム ラバー

(全1巻) 
おばけたんご / くらもち ふさこ (集英社)
器量の悪いモン同士、許婚になっていた、憧子と端午。
しかし、夏のある日、端午は7歳で他界してしまう。
そのことに責任を感じている憧子は、
なにかにつけ端午を思い出す日々を送っている。
そして、端午が死亡した事故で、両親を失った陸郎は、
端午にかわり、憧子の婚約者となっている。


くらもちさんのマンガに出てくる、器量の悪い男子(女子)が、
なんだか妙にツボにはまってしまっていて、
目がきらきらしたかわいい女子に違和感を感じています。

この端午も、少女マンガらしくない男の子で、
はじめて器量のいい陸郎と端午を見比べたときの憧子が忘れられません。

お話も、どっちにでも転べそうなお話で、結論が決定づけられていません。
だから、語り合うにはもってこいのお話です。
端午を忘れられないまま、ずるずると陸郎のことを想う憧子の描写…
と思いきや、
許婚になった憧子との関係を悩んでいる陸郎の描写…
というような部分ものもあり、
だが、最終話で、「夢オチ!?」と思わせる部分もあり、
何度読んでも、「んー、やっぱりこっちか?」と悩めるお話です。

バスケットボールで区切られた端午のシーンがあるのですが、
どっちに転んでも、憧子と許婚はうまくいかない気がします。


(全1巻)
JUGEMテーマ:漫画/アニメ
 
幸せ色の自転車 / 込由野 しほ (集英社)
「姫ちゃんのりぼん」のリメイクを描く作家さん、ということで読んでみました。

友だち以上恋人未満のイイ関係を気づいている、三浦くんと長谷川。
しかし、三浦は、いつまでたっても、長谷川のことを自転車の後ろに乗せてくれない。
後ろの席を「特別席」と呼び、「乗せられない」という。
そんな三浦をしばりつけているものを、どうにかしたい長谷川だったが…。


うっわ!甘じょっぱ

りぼんのマンガって、きゅんする感じの話ではないと思っていましたが、
コレは!どっちかというと、別マ系…?
友だち以上恋人未満の絶妙な高校生が楽しめます。
自転車ふたり乗りとか、女子の憧れですよね
(女子校だったので叶わなかったけれど!)


収録作品の方も、ギャー学生戻りたい!な話で楽しかったです。
「恋いちご
いちごが好きな男子が好きな倫。いちごのキーホルダーがかわいかった。
わたしもこれ売ってたら、3つはまとめて買うな。うん。

「プリズムホーム」
ホームの向こう側にいる男子に一目ぼれした明里。
一目ぼれマンガで、ここまで2人が接近しないマンガも珍しいです。
最後のページまで、喋らないんだもの!もどかしいよ!!

ギャーギャー読めて楽しかったです。
ひとつ若返った気さえします。

【収録作品】
幸せ色の自転車
恋いちご
プリズムホーム

(全1巻)
JUGEMテーマ:漫画/アニメ