書評・感想ブログ。
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スプラウト / 南波あつこ (講談社)
全巻を積んで読み終え、一晩たってから、感想を書こうかな、と思ったんだけれど、
何が起こってどうなった漫画かよく思い出せなくて困っている。
ここがきゅんとしたよ!とか、最後はうまくいってよかったよ!とか、ここ笑った!とか、
もしくは、つまらなかった!!とか、何かしらあるだろう、と思っていたのに、
まったくなにも思い浮かばなくって、驚いている。
間違いなく、読んだのに。

お話は、主人公・実紅のおうちが、下宿を始めるところから始まる。
年上の彼氏がいて、友だちもいて、順風満帆な高校生活を送ってきた実紅の生活にひびが入り、
下宿人としてやってくる同じ学校の男の子(彼女もち)を好きになってしまったことで、
平穏な日々がガラガラと音を立てて崩れ落ちてしまった

下宿人は3人。
イケメンに囲まれるのかと思いきや、同じ学校の男の子・草平と年上のお姉さんと年上のオタク大学生。
恋が芽生えそうな予感のする相手は、草平の一択だ。
4人は仲良く夜通しゲームをしたり、キャンプに行ったり、と楽しそうだ。
草平のいちばん近くにいるのは自分だけど、草平にはカワイイ彼女がいるので、恋心を隠したり、嫉妬したりと、恋愛のイヤな部分ばかりを体験している実紅。
うざみゆ(草平の彼女)がもっとイヤな子だったら、実紅がんばれ!となるのに、
うざみゆもライバルキャラにしては、いい子の部類なので、
草平と別れさせるのはかわいそうになってしまう。
というか、読んでいて、うざみゆがかわいそうになってきて、実紅に好感が持てなくなってしまった。
「下宿先の同級生」なんて無敵でしょ!
うざみゆと草平の思い出シーンが好きだったし、きゅんとしたので、実紅には失恋して欲しかったなあ、と思う。
たまには、そんな少女漫画もいいじゃないか。読後感は悪いけれど。

全7巻もあった割には、超スピードで読み終え、内容が思い出せないのはなぜか、と考えてみた。
たぶん、文字が少ないからだ。
セリフも少なければ、少女漫画の代名詞ともいえるモノローグも少ない。
セリフなんか、見開きで二言しかないページも結構あり、
絵も大きくコマも少ないので、パラパラと読み進めてしまうから、物足りなく感じるのではないか。
文字で説明されていない分、キャラクターに感情移入しなければエピソードも胸に残らないわけである。

少女漫画は主に月刊誌なので、1話1話がぶつ切れていることが多いけれど、このお話は特にそれが目立った感じがした。
読んでいて、「こ、これ、続き?」とか「これ、1巻?」ということが多かった。
あらかじめ読者が前の1話を1ヶ月かけて熟読していることを想定して次のお話に進んでいて、全巻まとめ読みの読者にはあまり優しくない。
問題提起がされて1話が終わるのに、次のお話では悩みがほぼ自己完結していたりして、「あれー?」と拍子抜けする。
わたしもいっしょに、実紅と悩みたかった!というのが本音である。気持ち悪いけれど。

わたしは主に「りぼん」の少女漫画で育ったが、眉毛がきちんと描かれている少女漫画を読んで、ちょっと嬉しくなった。
少女漫画の絵柄の眉毛なんて、あるかないか微妙な存在なのに、
南波あつこさんの絵柄では、とても自然な眉毛がきちんとナチュラルに描かれている。
絵柄も少女漫画特有の媚びた感じがなくって、
実紅もうざみゆも草平も、近所の高校にいそうな感じの自然さでいい。
余談だが、草平の困り顔が非常にツボだった。

(全7巻) 
曲がり角のボクら / 中村 明日美子 (白泉社)
地味に気になっていた作家さんです。
耽美系の線が細い絵で、華奢な男子を書くイメージで、
どっちかといえば、BLを書く方なのかな?と思っていたのですが、
「ジャンルなんか無問題!」なマンガ集でした
男女の恋愛も書くけど、BLも百合もあるよ!な感じです。
読む人を選ばないようで、選ぶ……のかな。


この作品集の中では、「みんなきらきら」がいちばん好き…かな。
(選べないんですが。)
かわいい娘が通う幼稚園にいるホストっぽい先生とのお話です。
奔走するお父さん、ホスト先生、みんなの表情がくるくる動いて、癒されます。

カラーも水彩みたいでかわいいし、
絵も独特の個性があるので、これからどんな活動をされるのか楽しみです。
カバーもそうですが、イラストに動きがあって、かわいいです。
会話が聞こえてきそう


【収録作品】
阿部くんと黒羽さん
となりの吸血鬼
みんなきらきら
さくらふぶきに咲く背中
曲がり角のボクら
よろめきのボクら

(全1巻)
JUGEMテーマ:漫画/アニメ
 
Monacoの空へ / 野部 利雄 (集英社)
ボクシングマンガって読んだことないなあと思い、紹介してもらいました。
・絵がごつくない
・ほどほどの長さ
・不良が成り上がる話ではない
というテーマの下、紹介してもらったので、そんなボクシングマンガです。

沖田空という高校生ボクサーが、
アマチュアから新人王トーナメントを終えるまでのお話です。
もなこという同級生とのラブコメあり、
対戦ボクサーとの友情あり、
隠された親子の秘密なんかもあり、
ボクシングのルールがいまだによくわからないわたしでも楽しかったです。

あだち充さんがボクシングマンガを書くとこんな感じでしょうか。
(…あ、KATSUってボクシングでしたよね、読んでみよう)
空の秘めた強さのおかげで、無駄な心配なく読めます。
はじめはライバルだった、芝草や武市、カズとの交流も好きです。
いいなあ、スポーツを通して無言で語らえるなんていいなあ……。

でも、このマンガでいちばんいい働きをしているのは、
もなこの父であり、空のジムの会長である早乙女一馬です。
この親父なしでは、このマンガはありえない!と思ったほどです。

今回、「もなこの空へ」を読んで、
ボクシングは腕の力でするものではない ということと、
「ボックス」というのは、「構え」ということだ、ということを知りました。
22冊も読んで、そんな読解力……情けない。

(全22巻)
JUGEMテーマ:漫画/アニメ
 
亀の鳴く声 / 西 炯子 (小学館)
初・西炯子作品です。
以前から読みたい作家リストに名前を書いていたものの、
ここまできてしまった。
思い描いたままの少女マンガの絵柄で(首が長い、人形のよう)、
ドキドキしてしまいました。

少女マンガ家を目指す、市役所職員中川信(27歳男性)は、
自分の描いた作品に自信がもてず、
誰にも読ませぬままもじもじと時を過ごしていた。
しかしファミレスで出会った美少女女子高生高月くれはに、
原稿を見せる羽目に。
中川のマンガに感動したくれはは、強引に中川を東京の出版社まで連れて行く。

わたしは少女マンガ家になりたかった過去(今もだが)を持つので、
中川の「恥ずかしい。だが描きたい。だが恥ずかしい」の葛藤がよくわかります。
紙上でコマを割って描いて、インクでなぞって、トーンで華やかに見せて、と、
マンガを描くには、時間がかかります。
それを「つまらない。」と他人に一蹴されることを想像したら、末恐ろしいのです。

そして、同時にマンガ家志望(?)の高田さんの気持ちも痛いほどよく分かる。
マンガが大好きで、何年間も描いているのに面白いものが描けない苦痛や、
才能や運に恵まれている人にどんどん追い越されていく恐怖。
高田さんの切羽詰った感じが、きりきり痛いほどに分かってしまう。

そして、マンガや小説ばかり読んでいると、たまに思う。
「何かを生み出せる人って、いいなあ。それだけで存在意義がある」と。
編集の井上さんが同じようなことを言っていて、
「ワカル!」と首を縦に振ってしまった。

ほかにも、くれはの弟や母、経営難の書店を経営する父がでてきます。
全2巻くらいで、
くれは家族のサイドストーリーもしっかり読めたらよかったのに!と思います。

(全1巻)

JUGEMテーマ:漫画/アニメ
 
Strawberry shortcakes / 魚喃 キリコ (祥伝社)
A5判の漫画は「ちょっとオシャレでH」というイメージが深く根付いています。
三原ミツカズ、桜沢エリカ、山田ないと、魚喃キリコ。
こういうコミックスに憧れた頃もありました。(要するにFEELYOUNGです)
高級品なのでなかなか手が出せずにいましたが(中古でも高い)
先日、魚喃キリコさんの『南瓜とマヨネーズ』を読んだらハマってしまいました。

読んでいると、少し鬱っぽくなるのが難ですが、好きです。
『Strawberry shorotcakes』は連作短編集のようなお話集です。
女同士の憧れや、極度な片想いや、恋がしたい恋がしたいなお話です。
「あー恋がしたい」と言っている鈴木さんが、わたしは幸せそうで好きです。
「空があおいよ ハニー」なんて独り言を思っている鈴木さん、好きです。
秋代さんの片想いにもヒリヒリしてしまった。胸が痛い。
読む人によって、どこに感情が移入するのかは違ってくるかと思いますが、
誰もが誰かに気持ちを重ねることができるのでは…?と思います。
(それがいいことかどうかは、わかりませんが。)

しかし、魚喃キリコさんの漫画は少女漫画っぽくなくて素敵です。
コマの枠線はがっつりと太いし、人物も髪の毛も線が太い。
そしてトーンが少なくて、コマがデカくておしゃれだ。
人物の服装も、Tシャツ・ジーパン。
白黒の漫画に「おしゃれ」という形容詞がでてくるのか不思議なんですが、なぜかおしゃれです。

全1巻
JUGEMテーマ:漫画/アニメ