書評・感想ブログ。
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そして誰もいなくなった / アガサ・クリスティー (早川書房)
『名探偵コナン』や『金田一少年の事件簿』のような王道のミステリーが読みたい。
でも、グロいのも暗いのも嫌だ。でも、殺人事件でハラハラしたい。
という、キーワード(?)の下、書籍を検索していたところ、出会ったブログがあるので紹介する。


インシテミルから始めるクローズド・サークル ブックガイド


ミステリーが多すぎて、どこから手をつけていいのかわからない初心者にとって、とても有難い分かりやすいブックガイド。
しかも、王道のものばかりで、とても嬉しい。
そう、わたしは、クローズド・サークルのミステリを求めていたのだ。


というわけで、初っ端に紹介される、アガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」を読んだ。
10人の人々が孤島に集められ、連続殺人が起こる、というよくあるアレである。
わたしが海外文学を読めないのにはいくつか理由があるが、その中の一つが、
「登場人物の名前が覚えられない」というものだ。
今回も苦労した。
なにせ、10人もいるのである。1人ずつ減っていくにせよ、10人だ。
(過去の事件に関わった人物も遭わせると10人以上いる計算になる)
苦労した。
途中、同じ人物が殺されたりもしたが(わたしの思い違いのせいで)無事に、「誰もいなくなった」。
なぜ、犯人は孤島に1人残らないのだ!!!!
やるなあ、アガサ博士。
100年も前のミステリに感動するわたし。読んでよかった。


結末を読んで、まあ納得したものの、ウィキペディアなどで調べると、
この作品を舞台で演じたり、映画化する際には、犯人が変わるらしい。凝っている。


ところで、話は変わるが、図書館の古いミステリー本を借りるのに抵抗がある。
「動物のお医者さん」の二階堂も言っていたが、毒がしみこんでいるような気がするのだ。
できれば、きれいな本で、古典ミステリーを読みたい。わたしは我侭である。


今回は、早川書房から出版された、子ども向けのジュニアミステリシリーズで読んだ。
2007年に出版されており、まだ毒は染み付いていなさそうである!
(平仮名も多く、分かりにくい文章は省かれており、ある意味、有難い。)


(374p)



(映画化)
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カニバリストの告白 / デヴィッド・マドセン (角川書店)
評価:
デヴィッド・マドセン
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読み心地の悪そうな小説を探して、二冊目。(「告白」に引き続き。)
図書館の書架から発掘してきた「カニバリストの告白」。
普段、まったく翻訳本を読まないのだが、
日本ではあまり題材にならないカニバリストものだったので、思わず手にしてしまった。


物語は、稀代の天才料理人・オーランドー・クリスプの告白として進む。
オーランドーは、料理評論家の殺害容疑で幽閉されているが、容疑を否認している。
母への異常なまでの執着、料理人の上司との関係、肉への執念……。


「食べる」という行為を描写すると、なぜかエロティックになり、
「調理」という行為を描写すると、やはりエロティックになる。
とどのつまり、「食」という行為には、言わずもがな、性的なものが関係しているのでは。
と常日頃思っていたので、「カニバリストの告白」はものすごく楽しく読めた。
(この作品を「楽しく読めた」と言うのは、趣味が悪いのかもしれない、が。)


娼婦の肉は食べた者を淫乱にさせ、怒り狂った女の肉を食べた者は凶暴化する。
肉を食べるということは、「他者を吸収すること」というエピソードが面白い。
なにも考えることなく、肉を魚を、臓器まで食べているわけだが、そんなことを思ったら、肉を切り分ける手がふと止まる。
肉って生き物だよな……。
そんな折、岩波書店から「飼い喰い」というドキュメンタリーを見つけたので、機会があったら読んでみたいと思っている。


ところで、オーランドーのお気に入りの双子が実在しているのかいないのか、読み解くことができなかった。
やはり、翻訳本は単語の順番がいつもとは違うので読みにくい。(一文もすごく長いし……。)


(p.351)





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かるいお姫さま / マクドナルド (岩波書店)
魔女によって、身も心も”かるく”なる呪いをかけられてしまったお姫さま。
抱いても重さを感じず、ふわふわと上空に舞い上がってしまうお姫さま。
”重さ”が戻る唯一の場所は、湖だけ。
しかし、湖も魔女の手によって干上がってしまい……。


タイトルを見たときに、「軽い分には、問題なかろう」と思っていたのですが、先日読んだ「ファンタジーのDNA」で、荻原さんが「身も心も軽くなってしまうお姫さま」の話を書かれていて、
「心も軽くなってしまうのか!」と興味を抱き、読んでみました。
面白かったです!!!
重大な話をしたいのに、けらけらと笑って話を聞かないお姫さま……。
軽い笑い方と重い笑い方の描き分けが面白かったです。
お城では、人をバカにするような軽い笑い方しかできないお姫さまも、唯一”重力”を感じられる湖では、微笑むことができます。
”笑う”という単純なものにも、「軽さ」と「重さ」がある。面白いです。
そんな軽いお姫さまですが、王子様に出会い、恋を知り(陸では軽いので恋などと分かっていません)少しずつ変わってゆきます。
このお話は、ディズニー映画になっていてもおかしくありません。
言葉遊びもたくさんあり、楽しめます。
現代を生きる女子は、「軽さこそすべて!」といわんばかりにダイエットが流行っていますが、こんな事態に陥らないように、心の重さは大切にしようね!
(言葉遊びは、一歩間違うとただの親父ギャグですね。)

もう1篇の「昼の少年と夜の少女」もすごくいい話でした。
お日様をみたことがない夜の少女と夜を知らない昼の少年。
16歳くらいのある日、互いが互いの知らない時間を知り、困惑するのですが、
闇を知った少年と光を知った少女の反応がすごく面白いです。
闇しか知らなかった少女の女神のような心の広さと暖かさに、心がやわらかくなります。

2編とも面白い作品だったので、機会があったら、別のお話も読んで見たいです。
100年以上も前に紡がれたお話がこんなに面白いだなんて、文学の世界は奥が深すぎます。

訳:脇明子

(220p) 
アラビアン・ナイト 上 / (岩波書店)
恥ずかしい話、今回、この本を読むまで、
「アラビアン・ナイト」というお話があるものだと思い込んでいました。
アラビアンナイトが、お話の集まりであるとは思いもしませんでした……。
どおりで、「アラビアンナイト」で検索すると「千一夜物語」がでてくるわけだ。

ということを、本書の前書き部分で知り、また捕虜となった王妃が死刑を逃れるために、面白いお話を創作して、延命していたということも知り、「千一夜物語を全編読んで見たい!」と野望を新に胸に抱きました。
本当は264編しかないらしいが。
命乞いのために、延命のために、シンドバッドの冒険やアラジンと魔法のランプの、困難な場面や愉快な場面、気の抜けるシーンなどを一生懸命考えていたのかと思うと、切なくなります。
264話も、寝物語として捧げた王妃。
「この面白い話の続きはわたしの頭の中だ!」とは、20世紀少年の角田氏の名セリフでありましたが、古くから、面白い話を紡げる人というのは重宝されたんですね。


上巻では、「シンドバッドの冒険」と「アラジンと魔法のランプ」など10話が収録されています。
アラジンといえば、ディズニー映画でお馴染みだったのですが、
待てど暮らせど、アブーも魔法のじゅうたんもでてこなくって、「ああ、これがディズニーの魔法だったのか」と、ディズニー映画と原作の差を身をもって体験しました。
願い事の数も規制されていないことに驚きました。やりたい放題になってしまいます。

しかし、この時代の国々の姫や王子は、姿など見なくとも簡単に恋に落ち、身を滅ぼしています。
話に聞いただけのジャウワーラ姫に、なぜそんなに恋してしまったんの!?とベーデル王の肩を揺さぶって聞いてみたくなりました。
シンドバッドも、あんな危険な目に遭いながら、何でそう何回も何回も航海にでてしまうのかわからぬ…。
そんな、ちょっと目の離せない危ない人々が主人公だったから、話の続きが気になってしまうのかもしれません。


上巻(311p) 
みどりのゆび / モーリス・ドリュオン (岩波書店)
裕福な家庭に育ったチト少年は、不思議な「みどりのゆび」を持っています。
その指を地面にさせば、たちまち芽吹いて花が咲きます
そんな能力を持っているチトでしたが、学校の勉強はさっぱりできません。
仕方なく、お父さんが用意した「社会勉強」を始める事になりました。
そして、ほどなくして、戦争が始まることになり……?


本の裏表紙に、大まかなあらすじが書いてあるのですが、
「チト少年は、お父さんが兵器を作る人だと知り、驚きました。」
すごい紹介文です。
先述したように、戦争が始まることになり、
草木を愛するチトは、「戦争はよくないこと」と思います。
しかし、自分の父親は、兵器をつくり、戦争を促している人。
そして、自分は、そんな父親が生んだ財産で、裕福な暮らしをしています。
「戦争はよくないこと」、すべてを破壊してしまう恐ろしいもの、と描きながら、
それでも、利潤があることを、このお話はちゃんと語っていて、驚きました。
しかし、チトは「みどりのゆび」を使って、戦争と真っ向勝負します。
花が咲く、たったそれだけのことなのに、町の人々はどんどん変わってゆきます。
花の力強さ、自然の偉大さには、勝てない人間でいて欲しいものです。


そして、このお話は、唐突!な終わり方をします。驚きました。
「戦争はよくないよ。」「人間は、自然に勝てないよ」という
説教くさい現実的なお話かと思っていましたが、
お話が終わると、「童話だったんだなあ」としみじみし、なぜか強く心に残ってしまいます。

春になったら、わたしも花をひとつ、植えたいな、と思いました。

(215p)