書評・感想ブログ。
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僕から君が消えない / 藍川さき (小学館)

はじめから、「わたしの趣味ではない漫画だ」ということはわかっていたのだが、
表紙の黒髪のイケメンに惹かれて読み始めた。
イケメンの力、恐るべし。

この表紙の彼は、同じクラスの女の子が好きだ。
しかし、彼女は自分の兄であり、クラスの担任でもある男が好きである。
なんだか面白くないので、好きな女の子だけど、いじめてしまう日々を送っている。
そして、少しずつ近づく二人の距離。
 

王道の展開のはずなのに、色々な説明をすっ飛ばして展開されているため、色々な設定が後になって分かる。
そもそも、主人公の女の子が、なぜお兄さん(先生)を好きだったのかが1巻後半までわからないので、

「恋に恋している状態」で非常に鬱陶しい。
そして、表紙の彼が、主人公の女の子に恋をするまでのお話は、特別編で描かれてしまうという残念さ!!!(わたしは、番外編はあとでまとめて読む派なので非常に残念だった)
物語内に組み込んでくれよ!重要なエピソードは!!!


少女漫画にありがちな、「先生に恋する女子」だが、わたしはとても苦手である。
と同時に、「恋に恋する女子」もとても苦手なのである。
(このふたつはイコールで繋がることが多い)

この漫画では、遠い存在であるはずの先生が同級生の兄ということで比較的近い存在にいる。
余裕のある大人風に描かれ、人のいい先生として物語中盤まで、いいトコをかっさらってゆくドS丸出しな耽美系のお兄さんは、今後物語にどう絡んでゆくのかしら!主人公の女の子のことが好きみたいだけど!とハラハラしていたのだが……。
 


どうにも絡まなかった!!!!!!!!!!!!!

 

やぶ蛇にもならず、わたしは敗北感でいっぱいで4冊を読み終えたのだった。
まあ、4冊だもんな、しょうがないよね、とピリオドを打ったのだが、しかし腑に落ちない。


こんな美味しい設定なのに、兄弟で主人公をめぐって争ったのは一度きりなのだ。
腑に落ちない。
ドリーム小説ばかり読んでいる身としては、こんな生半可な少女漫画はあってはならない。
もっと兄弟でケンカしているシーンが見たかった。

この漫画の設定を、わたしが編集だったらどう生かすかを考えた結果、
わたしだったら、弟(表紙の彼)を主人公に据え置く、と至った。
兄への劣等感を余すことなく表現できる上、作者は男子ばかり描いていられる!
無理して、女子読者のウケの悪そうな女の子を主人公にしなくてもいいのではないか、と。

主人公は兄と弟を間違って好きになっていた、という弟にとってかわいそうなエピソードも、
弟が主人公であれば、単行本1冊分くらいはお話がひっぱれるんじゃないだろうか。
そしてこのタイトルならば、弟はフラれて欲しかった!(本当はそれを期待していた。)


ほかにも、なぜ強盗に刺されなきゃならなかったのか、とか、
謎の元カノの襲来とか、突然すぎる転校の話とか、ツッコミどころが多かった。
毎月読む分には、目新しい展開がどかっとやってきて面白いかもしれないけど、
単行本でまとめて読んじゃうと、大きいお話がゴロゴロしているだけな感じで、落ち着きのないお話になってしまって残念だった。


お兄さんはなぜ、あんなにあっさりと存在をかき消してしまったのか……。
(まだ悔いている。)
 
(全4巻)

(Kindle版)僕から君が消えない(1) (フラワーコミックス)
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『駿河屋コミック』少女コミックが10円です!
ソラニン / 浅野いにお (小学館)
読む前から、億劫だった。
「きっと、また、やるせなさでいっぱいになるんだろう」とわかりきっていたからだ。
重くて、苦しくて、苦しくて、漫画くらい夢みさせてよぅ、と泣き言を言いたくなる。
漫画の中なのにちっとも夢をみさせてくれない。
夢をみられるようなシーンがあっても、現実に叩きつけられるのがわかっていて、怖くなる。
それが、浅野いにおの世界に対するわたしのイメージ。

でも、「ソラニン」だけは、違うんじゃないのかな、とすこしだけ期待していた。
題材がバンドで、ギターで、音楽で、青年で、映画化されているから。

そんな淡い期待は、1巻出だしの芽衣子が仕事をやめるくだりで砕け散った。
「わたし、こんなところで、こんなことしていていいのかな」という葛藤。
身に覚えがある。
彼氏も、彼氏のバンドの仲間も皆、心の中では同じことを思っている。
「こんなことするために生まれてきたわけじゃない」
立ち上がって、バンドを再結成。

ソラニン1巻p.144そして、花火。

わたしは、浅野いにおさんの漫画の構図がとても好きだ。

このページの構図は、
鬱屈した各々の思いが爆発したみたいで、とても好きだ。

どうか、この先、彼らに明るい未来が待っていますように!
漫画なんだから!

と、お祈りしながらページを繰る。

わたしの願いは届かなかった。
だから、嫌いだ。浅野いにお。
でもしかし、数年後、またきっと読むんだろう。
なんでか、そんな感じがする。


漫画の中に何を求めているのか、を考えてみた。
イケメンに愛されるのもいいし、
特殊能力が備わったり、世界を救うのもいい。
くっだらない、バカバカしいギャグ漫画も好きだ。
非現実を疑似体験ができるのがいい。

浅野いにおの世界も、非現実だ。
非現実の漫画の世界で、現実さに嫌気がさすという疑似体験。
ああ、それでいいのか。
わたしは、自ら進んで、疲れたいだけなのか。

(全2巻) 

掲載画像は紹介作品からの引用であり、著作権は作者および出版社にあります。
そんなんじゃねえよ / 和泉かねよし (小学館)
妹萌えという言葉が世に定着して久しいが、わたしは兄萌えである。
というか、女子はたいてい、兄萌えのはずなのだ。
……ただ同士が欲しかっただけなのに、えらそうに断言してみただけだ。
大人になった今でも、わたしはお兄ちゃんが欲しい。
どんなに金持ちになっても得られないもの。それが兄妹である。

イケメンでシスコンの兄ふたりに、大事にされまくってそだった平凡少女・静。
心配性という粋を飛び越え、愛にたどり着いている。
苦手な近親相姦モノなのだが、この漫画だけはなぜか勢いで読め、読後に爽快感さえある気持ちのいい漫画なのだ。

物語はコメディやギャグのように快活に進み、次第に3兄弟の誰かが「養子」だという話が持ち上がる。
仲が良かった3兄弟の仲がきしみはじめ、悩む者あり、暴れる者あり……。
さて、作者はどうやって決着をつけるのかな、とわくわくさせてもらった。
近親相姦ものの作品は、破局か現状維持、もしくは勘違いと相場が決まっている……ように思う。
読んでいてあまり楽しいジャンルではないのであまり読まないから言い切れないが。

イケメン2人に愛される少女漫画はもはや定番である。
読者は「どっち派?」と妄想をふくらませ、どちに肩入れするか思い悩み、心の中で主人公の少女に色々と助言する。
(読者は、とまとめてみたが、こんな気持ちの悪い読み方をするのはわたしだけだろうか。)
わたしは、フラレる方のキャラクターに思いが流れてゆく派なのだが、今回はいつもよりも身がちぎれそうに切なかった。
実の兄妹とあっては、勝ち目が皆無じゃないか。

そして重要なのが、思われ役の静のキャラクター設定だ。
2人に思われる主人公として、読者にも愛されなければならないのだ。
読者が愛せない少女漫画の主人公ほど、読んでいて苦しいものはない。
その点、静は筋の通った人物設定で、二人の兄の間をいったりきたりせず、「恋愛としての愛」と「家族としての愛」をきちんと分けている。

最後まで濁したが、わたしは断然、烈派である。
烈の番外編が収録されなくて非常に残念だ。

(全9巻) 
スピカ / 羽海野チカ (白泉社)
待ちに待った!羽海野チカさんの短編集!
ハチクロ刊行時から待っていて、待ちきれなくて、羽海野さんの同人誌買っちゃったくらい、待ってた!

買ったその日はバタバタしてて読む気になれず、何日か寝かしてしまうほど、楽しみだった!

そして、それを裏切らない短編集でした。

羽海野さんの世界は、絵柄もほんわかしていて、書き込まれている小物すべてもかわいくて、だけどお話の中の世界はとてもシビアで好きです。
漫画なのに、甘くない。
めちゃくちゃ甘い絵柄なのに、甘くない。

「スピカ」がわたしの心にクリティカルヒットしたのは言うまでもないので、多くは語りませんが、
なにより新鮮だったのは、羽海野さんの描くBL!!
しかも、オリジナルのキャラ!
久しぶりにたかまりました。ありがとう。羽海野さん。

好きな人の名前って飴玉みたいな感じ、わかる。

もっと短編や中編でいろいろな物語を書いて欲しいと思いました。
3月のライオンも上手く10冊くらいにまとめて、新連載を書いて欲しいです。

(全1巻) 
クロスゲーム / あだち 充 (小学館)
といえば高校野球。
高校野球といえば、あだち充の漫画は欠かせません!

と思い込んで、早十数年経ちましたが、あだち充の漫画って、「野球マンガ」ではないかもしれないよなあ、と最近になってふと思うのでありました。
でも、あだちさんの漫画にでてくる入道雲やヒロインの水着姿が恋しくなるのは、やっぱり夏だからに違いない!


スポーツ用品店の息子・光とその近所のバッティングセンターの四姉妹は幼馴染。
特に、次女の若葉とは仲がよく、三女の青葉とは相性が悪い。
若葉はクラスのアイドルで、青葉は少年野球チームのエースだ。
そんな彼らが、高校生になって、あれこれするお話。


歴代のあだち充さんの漫画の各要素がふんだんに盛り込まれたストーリーでした。
浅倉南のようなヒロインがいて(まあ、いつもいるけれど)、片親で、キャッチャーはガタイが良くって、スラッガーは無口でかっこよくて、主人公は普段は頼りないけど、いざというときかっこよすぎて、1軍と3軍で下克上の戦いがあったりする。

ホームグラウンドのような気がして、安心して読んでしまいます。
目新しさも大事だけど、変わらないっていうのもある意味大事なんです。

今回の漫画で面白かったのは、女の子だけど男子野球部でもエース級の実力を持つ月島青葉の存在です。
公式試合にも出れず、甲子園にも出場できない。だけれど、人一倍練習に励んでいる青葉。
そんな彼女のことを、もうちょっとスポットをあてて描いて欲しかったのですが、17巻という短さで終わってしまいました……。

でも、タッチよりは好きだな。この漫画。

(全17巻)